特集・レポート

~ 2011年10月掲載 ~

秋の「秋吉台エコツアー」体験してきました!

秋の「秋吉台エコツアー」体験してきました!
秋の「秋吉台エコツアー」体験してきました! 涼しい秋は、ハイキングにぴったりの季節。
今日は「秋吉台エコツアー」に参加します!
「秋吉台エコツアー」は、四季を通じて、さまざまなテーマをもうけて秋吉台のさまざまな場所を歩くツアーです。

今回は「秋風に誘われて~林を散策しよう~」というテーマで、年4回、草原から林を通る同じコースを歩き季節ごとに変化する植物を観察するというツアーの秋バージョン。

その際に頼りになるのが“インタープリター”とよばれる案内人の皆さん!
今回は4人のインタープリターさんと一緒に歩きます。

  • インタープリターのみなさん

右から、多賀谷さん、中沢さん、宮田さん、西尾さん。
秋吉台を歩いてきた年数順に並んでいて、多賀谷さんはなんと30年近く歩いているベテラン!
みなさんそれぞれ、昆虫、植物など得意分野をお持ちです。とても心強いでしょ?

今回のルートは、長者ヶ森駐車場をスタートし、真名ヶ岳でお弁当タイム。
その後は、大正洞まで歩きます。
帰りは、スタート地点まで車で送ってもらえるのでとってもらくちん!(笑)

今回は約5kmのコースなので、楽しんで歩きたい方、体力に自信のない方(私のような…)も安心して参加できます

  • 準備体操
  • いざ出発!
準備体操をして、いざ出発!
  • 秋吉台エコツアー
  • 秋吉台エコツアー
▲でっかい自然をあるくと、人がとても小さく感じます。空を眺めると、気分も爽快!
  • ススキやハギの花が見られるのも、秋ならでは。
  • ススキやハギの花が見られるのも、秋ならでは。
  • ▲ススキやハギの花が見られるのも、秋ならでは。
歩けばザクザク、貴重な植物の宝箱や~!
さて、今回のメインは、なんといっても植物!秋吉台の豊かな自然は、さまざまな植物の宝庫なのです。
それをこれから、ダイジェストでお届けします!
冬以外の季節なら、何らかの植物を見られるのが秋吉台。11月頃まで草花を楽しめますよ。
  • ミシマサイコ
  • ヒメシオン
  • ▲ミシマサイコ
    なんと絶滅危惧種!根は柴胡(さいこ)という生薬になり、解熱、鎮痛作用があるそう。
  • ▲ヒメシオン
    小さな花がかわいらしい。北アメリカ原産の「ヒメジョオン」と名前が似ていますが、別物。
  • 謎の植物の芽
  • ▲???
    インタープリターさんも首をかしげた、謎の植物の芽!?
  • 中沢さん
  • 中沢さん(中央)は、秋吉台で花の記録を始めて13年。
    その記録をまとめた本も出されており、秋吉台の植物のことならおまかせです。

貴重な植物が数多く見られますが、道を整備するための草刈りで、刈り取られてしまうことも…。
お手入れは大切だし、植物も大切。なかなか難しいですね。

これぞ秋吉台!な風景に出会う
  • 何やら畑のような場所が!
    これはドリーネを利用した畑です。

    実は、秋吉台のドリーネは個人の所有地であることが多く、昔からこのように活用していたのだそう。

  • ドリーネを利用した畑
知らなかった~! すり鉢状のドリーネの底には、長い年月をかけて栄養豊富な土が蓄積されているので、ここで穫れたごぼうやお芋は、とても美味しいんですって。
知らなかった~!

石灰岩の間を歩く

こんな風に、石灰岩の間を歩くのもワクワクしますね。

色とりどりの、花と実を発見
※秋吉台の草花の採取は禁止されています。

秋の花・キキョウをはじめ、さまざまな色の花(実)があちこちに。
自然が生み出した色のコレクションを、一部ご紹介!

  • キキョウ
  • サイヨウシャジン
  • ▲キキョウ
    鮮やかな色なので、見つけやすいかも?これも絶滅危惧種なのです。
  • ▲サイヨウシャジン
    漢字で“細腰沙参”。花の美しさを柳腰の美人にたとえ、根は沙参に似ていることからこの名に。
  • カワミドリ
  • ゲンノショウコ
  • ▲カワミドリ
    漢字で“河翠”。なのに紫色とは、これいかに?シソ科なので、シソに似ています。
  • ▲ゲンノショウコ
    薬草としても有名で、すぐれた健胃整腸剤になるんだそう。
  • アキノノゲシ
  • クサギ
  • ▲アキノノゲシ
    キク科の植物。やさしいクリーム色の、丸い形の花をつけます。
  • ▲クサギ
    濃い青色の実と、赤いがくの部分が鮮やか!ちなみに、葉っぱがとても臭いので“臭木”=クサギ。なんてストレート!
  • カワラナデシコ
  • オミナエシ
  • ▲カワラナデシコ
    秋の七草のひとつ。可憐ながらたくましく咲く姿は、まさになでしこジャパン!?
  • ▲オミナエシ
    こちらも秋の七草のひとつ。万葉集にも登場しており、日本で古くから愛されています。
  • サワヒヨドリ
▲サワヒヨドリ
これはピンク色ですが、白っぽいものもあるのだそう。

秋吉台エコツアー

皆さん、このきれいな花をカメラにおさめようと、奮闘中!

小さなしあわせに、気づくかな?
  • インタープリターさんと歩くからこそ分かる、小さな植物もたくさん。
    ひたむきな姿に、思わず息をひそめて見守ってしまいます。
  • 小さなしあわせに、気づくかな?
  • アイナエ
  • コキンバイザサ
  • ▲アイナエ
    爪と比べるとわかるでしょうか?花の直径は約2.5mm!うっかり踏んでしまわぬように。
  • ▲コキンバイザサ
    直径1cm位の小さい花をつけます。花びらの先に、ふわふわの白い毛(?)があるんですが…見えますか?
自然は、ときにおいしい
自然ってスバラシイ…。おやつまで用意してあるとは!食べられる植物もありますよ。
  • イヌビワ
  • アケビ
  • ▲イヌビワ
    見た目はブルーベリーのようですが、味はイチジクに似ているかも。ねっとりと甘く、プチプチとした食感が楽しめます。
  • ▲アケビ
    茎はつるになって木などに巻きつき、ぶらさがるように実がなります。パカッと割れると食べ頃!種が多いけど、甘いです。
自然は偉大な芸術家である。
自然が生みだしたかたちは、美しく神秘的です。どんな芸術家もかなわない!?
  • オケラ
  • ツルニンジン
  • ▲オケラ
    小さな白い花が集まり、魚の骨のような包葉が周りに。見れば見るほど不思議!
  • ▲ツルニンジン
    まるでベルみたい♪…なのに、この模様から別名“ジイソブ”(おじいさんのそばかす)とは。トホホ。
  • ギンリョウソウモドキ
  • アキカラマツ
  • ▲ギンリョウソウモドキ
    光合成に必要な葉緑素をもたない、真っ白な植物。森の妖精…?いや、幽霊…?
  • ▲アキカラマツ
    白い小さな花が、花火のように見える?揺れるときれいな音がしてきそう。
  • ナンバンギセル
▲ナンバンギセル
たばこを吸うための道具“キセル”に似ているので、この名前に。名付けた人も粋ですね。
“秋吉台愛”が支えるエコツアー
さて、いかがでしたか?秋吉台の達人と歩く、発見がいっぱいのハイキング。
これはひとえに、インタープリターの皆さんが秋吉台の自然を愛し、見守っておられるからこそ
頼もしい秋吉台ヒーローたちのお陰で、ハイキングの楽しさが何十倍にもふくらみました!

インタープリター

今後も、秋から冬にかけてユニークな「秋吉台エコツアー」が予定されています。

歩くほどに、秋吉台や美祢の魅力を発見できるこのツアー。
「ぶち面白いよ!今度一緒にいこうや~」そんな風に、だれかに教えたくなります♪